NHKは朝ドラ(連続テレビ小説)を、来年春放送の「エール」(窪田正孝さん主演)から、土曜日は放送しない「短縮」をするらしいです。
今、朝ドラは100作目の「なつぞら」を月曜から土曜日まで放送中です。
「ちこちゃんに叱られる」も働き方改革
NHKがこの方針を決めるのは、働き方改革の一環にするためです。同局では2013年に女性記者が過労死した事件がありました。
ドラマの制作現場でも長期間労働が問題になっていたそうです。土曜日を休みにすることで製作時間を抑える狙いがあるようです。
現在放送中の人気番組「ちこちゃんに叱られる」でも、最近は、CG制作者の負担を減らすために「実写」にする場面を増やしています。
ところで、最近よく耳にする働き方改革とはなんでしょう。労働者を働きやすくするために職場環境を変えよう、ということですね。
「日本では長い間「モーレツ社員」「企業戦士」という言葉に象徴されるように、長時間労働は当たり前の風潮がありました。
その結果「過労死」が頻発して大きな問題になっています。また、定収入の契約社員が大幅に増えて格差が増大し、勤労者の生活を圧迫して働く意欲をそいでいます。
4月から「働き方改革関連法」がスタート
急激な高齢化や出産率の低下などで、日本の人手不足はますます深刻化することは明らかです。
こうした現状を打開し、乗り切るために、国は今年4月「働き方改革関連法」をスタートさせました。
国会で大問題になった統計の不正流用など、間違った現状認識で作られ欠陥も指摘される法律ですが、私たちは法に精通して働きやすい職場環境づくりを推進していく必要があります。
法律の骨子は3つです。労働時間の長時間の是正、正規・不正規の不合理格差の解消、柔軟な働き方の実現、です。
年次有給休暇は5日が必須
具体的には、企業は大企業・中小企業を問わず年次有給休暇を年5日勤労者に与えなければなりません。
また、労働時間を客観的に記録して把握することが義務付けられました。時間外労働については、上限規則が設けられます。
「同一労働同一賃金」の徹底図る
契約社員、正社員など、雇用形態の違いのみで基本給や賞与などあらゆる待遇に差を設けることが排除されます。いわゆる「同一労働同一賃金」の原則の実施です。
このほか、フレックスタイム制の拡充や、努力義務として勤務間インターバル制度の導入促進(退勤後から翌日の出社までに9時間から11時間程度の時間的感覚を設ける)が盛り込まれています。
企業にとっても急務の働き方改革
法律は、国会で問題になった高度プロフェッショナル制度(厚労省指定の業務に従事する高給労働者を時間外労働の上限規制など、適用除外する)を含むなど問題があります。
しかし、おおむね労働者に必要なことです。そして、働き方改革は企業にとっても喫緊(きっきん)の課題です。人手不足はノンストップで企業に迫っています。
外国人を雇うより、まずは足元の働き方改革を進めることが労働力確保に必要なことだと思うのですが。