犬猫にマイクロチップ装着
犬や猫の虐待のニュースが後を絶ちません。改正動物愛護法が6月中に成立することになりました。
動物愛護団体などが働きかけ、超党派の議員連盟が提案しているものです。動物愛護の趣旨が世間に広く認知され、殺処分などがなくなればいいのですが・・・
法律の大きな改正点は3つ。犬猫にマイクロチップの装着を義務付け。生後56日まで犬猫の販売禁止。動物虐待(殺傷)の厳罰化、です。
このほか都道府県に動物愛護センターの設置が盛り込まれています。
捨て犬猫が減ることを期待
まず、マイクロチップは、犬猫を販売する業者に装着が義務づけられます。(業者以外は努力目標です)
大震災の時、多くの迷い犬、猫が出たことでマイクロチップの装着が進められてきました。飼い主情報が書き込まれたマイクロチップで迷い犬、猫対策ができます。
また、この義務化で捨て犬猫が減ることも期待されています。
マイクロチップは、直結2ミリ、長さ8~12ミリ程度の、犬猫の健康を害さない材質で作られています。
犬猫の肩の辺りに埋め込まれます。耐用年数は30年程度で電池は必要ありません。医療行為なので獣医さんが装着を行います。
専用のインジェクター(注入器)で簡単に埋め込み、動物の負担もほとんどないと言うことです。
簡単に情報登録で迷い犬猫を探す
情報の登録も簡単です。マイクロチップを埋め込んだ後、日本獣医師会に氏名や住所、連絡先を記載した書類を送付します。
その情報はデータベースに登録され、動物病院や動物愛護センターから照会できます。
ペットが保護されてた場合、マイクロチップに記録された情報で飼い主にすぐ連絡できる仕組みです。これで迷い犬猫の心配がぐっと軽減されますね。
::装着の費用は数千円程度ですが、情報登録に別途1000円必要です。
生後56日まで販売禁止に
改正の、もう一つのポイントは、犬猫は生後56日までは販売禁止になりました(8週齢規制)。
生後早く親元から離された犬猫が、病気になりやすかったり、噛み付くなど情緒不安定が見られ批判を集めてきました。8週齢規制はとても大事なことです。
しかし、これには秋田犬や土佐犬など日本犬8種類が適用除外となり、動物愛護団体が強く批判しています。
業者団体からの要望で除外されたようですが、その理由は「和犬と洋犬は質が違うから」。意味が分かりませんね。
日本人の赤ちゃんと、外国人の赤ちゃんはどう違うのでしょうか?かわいい赤ちゃんのときが売りやすいのが業者の本音、とも聞きますが・・・
ペットの虐待は厳罰化
改正法では、ペットの虐待(殺傷)に対して、これまでの2倍の法定刑が決まりました。
:罰則は「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」です。このほかの虐待や遺棄に「1年以下の懲役」が加えられました。
改正法は これまでの愛護法に比べて大きく前進したと評価できます。しかし悪質なペット業者をなくす対策が不十分です。
現在は届け出制ですが、許可制にして監督を強化するなどの施作が必要でしょう。同時に、国民の間に動物を飼うマナーの浸透も不可欠ですね。