福岡の土産物として大人気のお菓子「博多通りもん」が、昨年1年間に最も売れた「製菓あんこ饅頭ブランド」としてギネス世界記録に認定されました。
約6400万個、75億9126万円も売れた!
福岡では「通りもん」の愛称で知られる「博多通りもん」の2018年の売り上げは、75億9126万1769円でした。生産個数にすると、約6400万個です。
すごい人気ですねぇ。そういえばウチの親戚も、福岡に遊びに来たときは必ず「通りもん」を買って帰ります。我が家のカミさんも、日ごろから「通りもん」が一番好き、と公言しています。
洋菓子と和菓子の伝統をミックス
「博多通りもん」が誕生したのは26年前。3年余りの研究・開発を経て、1993年に発売されました。
そのコンセプトは、バター、生クリームの洋菓子の素材と和菓子の伝統を融合させたというもの。
柔らかいけれど、しっかりした触感の「西洋和菓子」です。もちろん、その美味しさが人気の秘密です。
福岡都市圏だけで販売
さらに「博多通りもん」がこんなに売れている理由は、名月堂の戦略があったからだと思います。
実は「博多通りもん」は、販売エリアを福岡都市圏に限定しています。つまりヨソでは買えないわけです。
これは、結果的に上手なマーケッティングになりました。その独特の美味しさが評判を呼び、口コミで、旅行者や出張族の定番土産になったのです。
東京土産になった「ひよこ」
「博多通りもん」と反対の道を取ったのは吉野堂の「ひよこ」饅頭です。
くちばしをちょっと上に向けたかわいらしい姿の「ひよこ」は福岡県飯塚市で生まれました。なんと1912年(大正12年)です。107年の歴史を背負ったお菓子です。
はじめ、福岡のお菓子として愛されていましたが、今では福岡県民以外は東京のお菓子と思っている人が多いと思います。羽田空港では「ひよこ」を東京土産として買っている人が多いですね。
こうなった理由は、1964年の東京オリンピックのとき、東京駅八重洲地下街に1号店を出したのがきっかけです。これはこれで成功しましたね。
「千鳥饅頭」はのれん分け
福岡には、「博多通りもん」」や「ひよこ」のほかにも、1927年(昭和12年)に誕生して根強い人気を持つ銘菓があります。
「千鳥饅頭」(ちどりまんじゅう)です。
南蛮菓子の丸ボーロの中に白あんが入っている上品なお菓子です。「千鳥饅頭」は、のれん分けして、福岡市の総本舗のほかに、東京・豊島区、大阪・中央区、兵庫(西宮市)があります。(大阪では「本千鳥」と銘名)
さて、「通りもんは」今後いかなる道を行くのでしょうか。
名月堂の社長さんは、今回のお快挙を「ギネス認定は誇らしい。これからも地域に愛されるお菓子作りをしたい」と喜びを語っています。福岡県民の自慢の種が増えましたね。