国際自然保護連合が発表したレッドリスト(絶滅の恐れある野生生物のリスト)に、新規の評価で日本の淡水魚30種が載って関心を呼んでいます。
日本の淡水魚絶滅危惧30種とは
リストは、深刻な危機(CR) 、危機(EU)、危急(VU)に分類されています。
CRにリストアップされたのは、タンゴスジシマドジョウやウラウチイソハゼなど。
EUは、ホンモロコ、イサザ、ビワヨシノボリ、ゲンゴロウブナなど。
VUは、イワトコナマズ、タナゴ、イタセンバラ、ミヤマタナゴなど。
絶滅危惧の原因は河川域の減少など
国際自然保護連合は、淡水魚の絶滅危惧種が増えている理由を、ダム建設などで河川域が減少していること、農薬汚染、外来種との生存競争を挙げています。
このリストが発表されて、多くの意見がツイッター等に寄せられました。
身近な自然の普段の観察から生まれたのでしょう、真剣な意見が多数見られます。
共通して指摘しているのは、淡水魚の絶滅危惧種が増えていく日本の自然破壊の現状です。
県別レッドリストもある
実は、淡水魚で絶滅の危機にあるのはもっと沢山あるといいます。各県が発表している県別のレッドリストの存在を指摘しています。
一方、日本産淡水魚はDNA解析が進み種が細分化されたため絶滅危惧種が増えた、という意見もあります。
かといって現状を肯定しているわけでなく、環境破壊が絶滅をを招いているという意見には変わりません。
最近ではやや減少したものの、かつて森林破壊はあちこちで起きていました。
その結果、森林の保水力が失われ、雨水が土砂を運んで川底を浅くしました。
流量が極端に減って魚は住みづらくなったのです。
環境破壊が淡水魚の絶滅危惧種を増やす
取水や護岸工事のためではあったのですが多くの沼や湖、川の堤防がコンクリートで塗り固められました。
ソーラー発電の普及で森林が伐採され、広い野原もなくなった影響を指摘する声もあります。
なお、これまでにレッドリストに載った絶滅危惧の淡水魚のうち、ミナミトミヨとスワモロコの2種は絶滅したと見られています。
魚類も地球の貴重な財産です。人間の都合だけで自然に手を加え環境を破壊し続ければ、いつかしっぺ返しがあるかも知れませんね。