4月1日に生まれた「れいわ新選組」が228万票を集め、比例で2議席を獲得しました。
これから政党として活動できる
マスコミの選挙報道では、政党ではないということで「れいわ新選組」が取り上げられることはほとんどありませんでした。それだけに快挙です。
しかも「れいわ新選組」の得票率は4.6%でした。政党として認められる要件である、比例票が2%を超え、国会では政党として活動することになったのです。
当選した「れいわ新選組」の二人も、これまでの国会議員のイメージを覆す異色の人材です。
舩後靖彦さんは筋萎縮側索硬化症の患者で、意思伝達には文字盤を利用します。木村英子さんは脳性マヒで重度障害があります。
「良識の府」に空いた風穴
お二人が当選したことは素晴らしいことです。世襲の議員が目立ち、「家業化」が進む国会に風穴が空いた感があります。
もともと参議院は「良識の府」として、各界各層の意見を反映する使命があったはずです。大勢の障害者からお二人が選ばれたことは、ある意味当然だと思います。
障害者ということで、お二人の議員としての働きに疑問を持つ向きがあるかも知れませんね。
失礼な言い方かもしれませんが、テレビ等で拝見して、頭も心もしっかりしておられるなと思いました。国会議員として責任を負うには十分です。
一方、山本太郎さんが当選できなかったことは残念でした。
言葉の力を体現する政治家
しかし今後は「れいわ新選組」の代表として活動し、衆院選にも立候補すると明言しています。また、政策実現のために総理大臣をめざすとも発言しています。
たった二人の国会議員を擁する政党が、と今は冷笑する向きも多いでしょう。しかし侮れませんよ。
山本さんのすごいところは、言葉の力を十分駆使できる政治家だということです。
本来、政治家は言葉で勝負する仕事のはずです。しかし現代の日本では総理大臣を筆頭に、あいまいな発言に終始することがあきれるほど多いです。
特に質問に対しては、小中学生の時に国語の成績がよほど悪かった?と思わせるほど、意味不明なひどい答弁が目立ちます。責任を逃れるためごまかしているんでしょうがね。
民放テレビの生放送番組で、山本さんが話すのを聞きました。分かりやすく明快です。非常に説得力があるなと思いました。
消費税は「凍結」でなく「廃止」を訴える
掲げる政策も、意図がはっきりしています。消費税は、廃止。他の野党の方針は「凍結」。山本さんに言わせると「凍結」はいずれ「解凍」されて値上げになると指摘します。
山本さんは家計費や貯蓄ゼロ世帯のデータを、手作りしたボードを持ち込んで説明しました。賛否は分かれるかも知れませんが、非常にわかりやすい説明です。
原発に関しても、即時廃止、とはっきりしています。代替は、自然汚染が少ない天然ガス利用の火力発電で、と主張します。
貧乏は自己責任ではない
また、貧乏に苦しむ人々に対しては、自己責任論を否定し、人々を貧乏に追い込んだ政治の責任を追求しています。
国際的にも地盤沈下が続く日本にあって、政治の立て直しは急務です。
「れいわ新選組」が淀んだ政界に打ち込んだエネルギーが大きくなることを期待します。
政党の代表になったことで、山本さんが公式の場で発言することが増えると思います。楽しみです。