新大関・貴景勝は夏場所4日目(15日)の御嶽海戦で右膝関節内側側副靭帯(じんたい)の損傷で翌5日目から休場していました。師匠の千賀ノ親方の話では「全治3週間の診断」で、本人は相当痛みを訴えているので無理せずに休場させることに決めたそうです。
親方に「実演」して再出場認めさせる
ところが本日18日、明日19日の8日目から再出場すると、千賀ノ浦親方が発表しました。なんでも17日夜、貴景勝から申し入れがあり、話し合った結果、再出場を認めたようです。はじめ、親方は絶対に休ませるつもりでした。貴景勝から受けた治療の説明を受け、膝の曲げ伸ばしなど 無理なく 「実演」するのを見せられて再出場に踏み切ったそうです。
稀勢の里を思い浮かべる世論
貴景勝が再出場、のニュースを知って、ネット上では心配する声が多く寄せられています。だれもが思い浮かべるのは、元稀勢の里の例です。久しぶりに誕生した日本人横綱として、人気を一身に集め期待されました。しかし2017年春場所13日目の対横綱日馬富士戦で、左肩と胸部に重傷を負い、同場所で優勝はしたものの、結局負傷に苦しめられたまま、横綱在位11場所中9回しか出場できませんでした。
「休場は勇気ある決断」と多くの支持
相撲は格闘技ですから負傷は付きものでしょう。今場所は、横綱白鳳がけがを理由に休場しています。貴景勝も、この際もっと慎重に判断して全休すべきなのでは、と私は思います。貴景勝が休場を決めたとき、世論はその決断を「勇気あるもの」として支持しました。稀勢の里の悲劇を繰り返してほしくない、という思いからですね。
完全に回復すれば22歳の前途は洋々
貴景勝が再出場に向かったのは、来場所のカド番を回避したかったからだと言う向きもあります。休場を続ければ、負け越して次はカド番です。カド番で負け越せば大関陥落です。しかし貴景勝は現在3勝していますから、残り8番で5勝すればカド番を回避することができます。でも仮にカド番で負け越しても、貴景勝はまだ22歳、幾らでも復活の道はあり相撲人生の前途は洋々ではないでしょうか。
あと5勝、無事な健闘を祈ります
カド番を避けたい気持ちはわかりますが、負傷した体で後半戦の5勝は結構ハードルが高いような気がします。もし負け越せば、来場所はやはりカド番に立たされることになります。このように考えれば、やはり慎重に回復に専念すべきだったのでは・・・
でも、貴景勝は再出場を決めました。大関披露の席で述べた「武士道精神」で頑張ってもらいたいですね。無事、健闘を祈ります。