香港の「逃亡犯条例」改正案に抗議する香港市民のデモが、参加市民100万人を超えて続いています。
香港政府に圧力をかける中国の姿勢は強硬で、密かに人民解放軍を使ってのデモ鎮圧に動いています。
香港近くの深圳(しんせん)付近で、軍用列車で運ばれる大量の自走砲が撮影され、デモ鎮圧に使われるのではと憶測を呼んでいます。
香港の「逃亡犯条例」改正案は、中国からの要請があれば香港で逮捕された容疑者を中国に引き渡す、というものです。
市民の自由が失われる
これに対して香港市民の多くが、政治的な弾圧につながり自由が失われる、と危惧しています。すでに中国は、市民の心配を裏付けるような「実績」を積んできています。
今年で30年目を迎えた「天安門門事件」では、自由を求めた多くの市民が虐殺されました。現在、国際社会が非難しているウイグル人問題でも、強圧的にウィグル人を収容して思想教育を強制しています。
近年、香港人の書店主らが、中国に連れ去られて取り調べを受けた事件も起きています。
もし、条例改正案が通れば、共産党政権を批判したら逮捕される、とデモ参加者らは強く危惧しているんです。
「1国2制度」 が骨抜きされる!
中国は1997年の 香港返還のとき約束した、50年間は香港の自治を保証するという「1国2制度」を骨抜きにして、香港をモノにしようとしています。
まず2014年に、「雨傘運動」として知られる市民の強い抗議を弾圧して、市民の選挙権を実質的に奪いました。このとき、香港の民主主義は消えました。
そして、今度の「逃亡犯条例」改正で、香港の自由が奪われる、と市民は危惧しているのです。
次は台湾に手を伸ばす準備か
伝えられるところによると、周近平共産党政権は、各国からの避難を無視して条例成立を目指しています。次は台湾に手を伸ばす準備のためとも言われています。
台湾の次は沖縄では、と心配する見方もあります。
香港では人民解放軍が、香港警察の制服を着てデモの鎮圧に当たっていると、多くの証言があります。自走砲の件も、あながち噂だけではないかも知れません。
市民の血を流しても条例を成立させるという中国の決意の表れです。
日本政府も抗議を
こうした中国に対して、イギリヤフランス、EUなどが強く避難しています。条例が成立すれば、香港市民だけでなく、外国人旅行者も対象になるという指摘もあります。
日本は香港と経済的に深い繋がりがあります。まして日本は民主主義と自由を基本としている国です。諸外国のように、香港市民の側に立って、中国に強く抗議すべきではないかと思います。