美智子上皇后が左右両眼の白内障手術を都内の病院で受けました。幸い手術は成功して順調に回復していると伝えられています。
時間が経てば手遅れのケースも
しかし施術した医師は、もう少し時間が経っていれば危なかった、と語っています。
上皇后は以前から、目が見えづらくなったと不調を訴えていました。
しかし公務に忙しく、手術の時間が取れなかったようです。今度は、退位報告の最後の行事を済まされての手術でした。
白内障はどんな病気でしょう。一般に、加齢が進むと現れてくる症状として知られています(加齢性白内障)。
目の中でレンズの役目をする水晶体が白く濁って、見えづらくなるものです。
水晶体は本来透明です。しかし水晶体を構成するたんぱく質が紫外線を浴び、活性酸素の働きなどで白く濁るのです。これが白内障です。白内障になると、次のような症状が出てきます。
こんな症状が出たら要注意
●視力が低下する ●視界が全体的にかすむ ●光をまぶしく感じる
●暗いときと明るいときで見え方が違う
こうした症状が現れたときは、白内障を疑ったほうがいいですね。
眼科受診をお勧めします。
白内障を治す薬はありません。
初期の段階で処方される薬はありますが、症状の進行を遅らすだけで、水晶体が透明に戻ることはないのです。。
手術で見づらさ解消
白内障には手術が有効です。近年は施術方法も進化し、入院することなく治療が終わります。見えづらさを解消することができます。
手術は一般的に「超音波乳化吸引術」が行われます。
濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き、その代わりに人工水晶体(眼内レンズ)を挿入して終わりです。
手術は簡単で安全
「超音波で粉砕」などと聞くと、オドロオドロしく感じるかも知れませんが、実際は簡単で、安全な手術と言われています。
眼内レンズには度数調節機能はないので、手術したからといって視力が回復することはありません。
しかし、筆者の知人で白内障手術を受けた人たちは、異口同音に、目がよく見えるようになったと証言しています。
これは「素晴らしいですね。
前記のような症状が現れたら、必ず眼科を受診した方がよさそうです。
加齢性以外の白内障も
なお、白内障には加齢性のほか、アトピーや糖尿病などで引き起こされるもの、風疹などによる先天性白内障。
目のけがなど外傷性、ブドウ膜炎など併発白内障、ステロイド剤や放射線の影響によるもの、などもあります。
年寄りでなくても白内障の場合があるから注意が必要です。