老舗和菓子店「木挽町よしや」が自店の名物どら焼きがAmazonで無断転売されていると、怒りをツイッターに投書して大きな話題になっています。
名物どら焼きを7倍超の値段で販売
「プレミアムギフト表参道店」を名乗る転売者は、「よしや」店頭で5個入り700円で販売している商品を7倍超の4980円で転売しています。
こんな高値で買う人がいるから出品したのでしょうが、スゴイですね。
問題のどら焼きは、多い日には1日1000個以上売れる超人気商品です。店頭・予約のみの販売で、1週間待ちになることもあるそうです。
被害にあったお店側は、Amazonに取り消しを要求しました。Amazonから謝罪文が届いたそうですが、出品者は教えられないと言っているそうです。
お店の努力を無にする転売
お店は、美味しいどら焼きを、適正な値段でお客に食べてもらおうと努力しているのです。高額転売なんて、まったく腹立たしい限りでしょう。
お店がとくに心配するのは、食べ物の管理の問題です。衛生的なこともそうですが、賞味期限の問題があります。
お店は、購入した当日から翌日までに食べるようお客に求めています。「高額どら焼き」は「賞味期限3日」としてあり、お店からすれば売り物の風味にもかかわる重大な問題でしょう。
転売行為を法律で規制するのは難しい
しかし、転売行為自体は、Amazonに消すよう求めることはできても、法律で規制することは難しいようです。
需要があるから供給が生まれるのは、市場経済の原理だからです。
だからといって、「よしや」のように真面目な生産者、供給者を一方的に脅かすことが許されていいと思いません。
結局、消費者にとってもよくないですね。何らかの規制が必要ではないでしょうか。
実は、高額転売の問題は、商品に価値があり、供給が少ないとき発生しやすいのです。
典型的な例は、コンサートやスポーツ観戦など興業のチケットです。
チケット転売禁止法がスタート
これまで社会問題として議論されてきましたが、今年6月14日、取り締まるための法律「チケット転売防止法」がスタートしました。
この法律では、特定興行入場券(チケット)の不正転売や、不正転売を目的としてチケットを譲り受けることを禁じています。
違反したときの罰則は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
転売規制対象の特定興業入場券とは
特定興行入場券とは、不特定または多数の者に販売されるチケットです。かつ、
①有償譲渡の禁止が記載 ②興業の日時・場所・座席(または入場資格者)を指定 ③購入者の使命と連絡先の確認措置の記載。
以上3つの条件を満たしたチケットのことです。これに該当しないチケットは、「チケット不正転売禁止法」の対象外になります。
法律は大事ですが、高額転売は許さないという消費者の自覚も必要だと思いますね。